こんにちは、こばぱぱの親友で心理学・科学・雑学大好きしゅんぞうです!!
今回は「なぜ、フィギュア選手はスピンしても目が回らないのか」を解説します。
みなさんも、フィギュア選手やバレリーナを見て「なんでこんなにくるくる回転しているのに、目が回らないのだろう」と一度は思ったことがあると思います。
多くの人はなんとなく、「練習したら慣れてくるのかなぁ」なんて思っていると思いますが、そこには、体の仕組みやテクニックがあったのです!!
練習の積み重ねで神経物質が助けてくれる
人が平衡(へいこう)を保てているのは、耳の奥にある「三半規管」と呼ばれる半円形の3つの規管(半規管)と「前庭」の働きによるものです。
ところが、人が回転すると三半規管で体の回転を感じます。
3つの半規管にはそれぞれリンパ液と「クプラ」という絨毛(じゅうもう)が長く伸びた感覚細胞が集まっており、回転するとリンパ液の流れとクプラの動きが前庭神経から脳に伝えられグルグル回っているように感じるのです。
一方、眼球は、反射的に回転と逆の方向に動きます。頭が動いていても見えているものがブレないようにするためですが、回転が続くと動きについていけず、眼球がけいれんしたように揺れる「眼振」が起こります。
体の回転を止めてもリンパ液の揺れは同時には止まらないため、“体が回っている”という情報が伝わってしまい、文字どおり目が回り続けるのです。
バレエでは目を回さない方法として「スポッティング」という技術があります。
スポッティング
回転するときに、遠くの一点を選び、それを見つめ、体を回転させながら、ギリギリまで、その点を見つめ続けて、頭を回すときには一気に回して、再びその点を見つめるというテクニック
しかし、氷の上で回転するフィギュアスケートの場合はバレエよりも回転が速いため、スポッティングだけでは目が回ってしまいます。
そのため、頭と目をできるだけ動かさないようにして、右回りのときは右側、左回りのときは左側に黒目を寄せて、まわりの景色を流れるように見ることで、できるだけ目の動きを抑えているのです。
とはいえ、スピンは1秒間に3~4回転、全部で20回くらいは回っています。
ところが練習によって徐々に体を慣らしていくと、「GABA」という抑制神経伝達物質が分泌され、目の回りを抑えてくれるのです。
スケートのジャンプは体重の5~8倍の負荷
華麗な舞を魅せるフィギュアスケート選手の見せどころはなんといってもジャンプ。
そのときの着地時にかかる力は、なんと体重の5~8倍と言われてます。
ランニング時の足が地面に着くときの力が体重の2~3倍と言われていますので、それと比べると大変な負荷と衝撃であることがわかります。
なので、体の柔軟さと体幹の強さ、優れたバランス感覚が必要とされる競技なんです。
というわけで体から目の回りを抑えてくれる物質が出るんですね!!
私たちの身体って不思議ですよね!
また、目を回さない回り方があったなんてビックリです!!
もし、誰かと一緒にフィギュアスケートを見る機会があれば、目が回らない理由を教えてあげましょう!!
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
参考文献:荻野剛志(2020)眠れなくなるほど面白い 図解 人体の不思議